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バックキャスト経営

将来(例えば、10年後とか20年後とかに)あるべき姿、あるいは、ありたい姿を想定して、それを実現するための道筋を考える手法を、バックキャスティング的アプローチと呼びます。逆に、現在の実際の姿をスタートラインとして将来像を思い描く手法を、フォアキャスティング的アプローチといいます。

バックキャスティング的アプローチに基づいたバックキャスト経営を心掛けなければならない、というのが最近の潮流ですが、実際には実に難しいことです。自分の会社が20年後に何をビジネスの柱にしているのか、今から20年前と現在との比較(即ち、ビジネス上の大きな変化)から考えても、将来のことは想像がつかないというのが実情です。

とは言え、バックキャスト経営を放棄する訳には行きません。人事制度改革(給与体系と評価制度の見直し)でタッグを組んでいるコンサルタントからも、「会社の将来像に対する経営陣のコンセンサスは、制度設計をするために不可欠です」という指摘を受けています。

20年後というと随分先の話に聞こえますが、考えてみれば私が当社に来てから20年が経ちました。そこで、20年前に私が考えていたこと、当社は将来どういう会社になるべきだと考えていたか、を思い出してみました。

私自身は大手総合商社出身ですが、経営リソースが限られている中堅商社には資源投資に傾注する大手総合商社とは違う生き残り戦略がある筈だ、と考えていました。それを形にしたのが2011年にスタートした中期経営計画“Challenge 15”ですが、その中で私は次の3つのスローガンを掲げました;

・“Challenging Spirit” ~ “Creative Destruction”の精神を貫き、既存の概念に囚われず常に新しいことにチャレンジし続けよう!
・“Networking & Synergy” ~ 海外拠点網や業界ネットワークの有効活用でSSKグループの総合力を結集することにより、シナジー効果を発揮しよう!
・“Business Creation” ~ ソリューション営業の一環としてユーザー・ニーズを満足させるようにメーカーを育成し、ビジネスの柱を育て上げよう!

このスローガンに沿って経営戦略・営業戦略を策定し、推進して来ました。その延長上に今日の当社がある訳です。出来たこともあれば、道半ばのこともありますが、この3つのスローガンは間違っていなかったと考えています。従い、20年後の当社のあるべき姿を考えるに当たっても、この3つのスローガンがしっかりと根付いている会社であるべきだ、と考えます。

今後は、社内のBrainstorming等を通じて、当社の将来像を練り上げて行くこととなります。

MD会議

11/6(月)と7(火)の2日間に亘り、MD会議(各海外拠点の次年度方針を討議・決定するための海外責任者会議)を開催しました。

コロナ禍でWeb開催を余儀なくされていたため、対面での開催は4年ぶり。Web会議にはメリットとデメリットがありますが、最大のデメリットは「討議が活発化しないこと」だと考えています。各拠点が進むべき方向性や、注力すべき経営課題・営業アイテムに就いて、今回は様々な意見を交わすことができました。

昨今の厳しい経済環境(コロナ特需の反動としての半導体不況、地政学的リスク増大による設備投資縮小、ドル高・金利高・物価高の「3高」進行、中国経済の急速な落ち込み、等々)を反映して、当社海外拠点も収益悪化に苦しんでいます。今年度最終赤字に陥る拠点もある中、どうすれば次年度黒字を確保できるか、各海外拠点長の手腕が問われる会議でもありました。

次年度以降の収益源とするべく取り組んでいる案件の報告が多々あった中で、特に注目されたのが「明るい未来を築く」ことに繋がる案件群です。当社事業領域別に見ますと、「モビリティ」ではEV化の流れを加速させる案件、「エレクトロニクス」「情報通信」ではDX推進の一助となる案件、「産業機器」では環境保全に貢献する案件、「暮らし」では高齢化社会に対応する案件、等々が当社事業の主力ビジネスとなって行きそうです。当社HPで謳っている「SANSHO 未来の扉を開く創造商社」が、掛け声倒れとならぬよう、当社グループ全拠点を挙げて邁進して参ります。

最後に。当社恒例の、会議終了後の懇親会も復活しました。日々の業務に関する打合せはWeb経由でも問題ありませんが、「取るに足らない(かもしれない)」情報の交換には対面式コミュニケーションが一番です。「昭和の営業」と揶揄されたりもしますが、大切にしておきたいと思います。

支社親交会 屋形船

10/13(金)に支社親交会主催による屋形船を開催しました。

支社では毎年恒例の行事ですが、コロナ禍で4年ぶりの開催。約40名の支社および新横浜サテライトオフィス勤務者が集って、久々に楽しいひと時を過ごしました(下写真)。
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たまに雨が降ったりする年もあるのですが、今年は天候にも恵まれて東京スカイツリーが綺麗に見えました(下写真)。
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以前のように仕事終わりに飲みに行くことがめっきり減ってしまったので、こういう幅広い社員が集まる場は今後も大切にして行きたいと思います。

文京学院大学特別講義

10/12(木)に毎年恒例の文京学院大学での特別講義を実施しました。

この講義を始めたのが2017年、今年で7回目になります。同校が、学部の専門分野を英語で発信する全学プログラムとして設置しているGCI(Global Career Institute)の「GCI特講Ⅰ」で、海外経験のある社会人が学生さんたちに経験談を披露するのが本講義の趣旨となっています。

当日は同校の本郷キャンパスとふじみ野キャンパス(Web参加)から約30名の学生さんが参加しました(下写真)。内容は、ここ3年間基本的に同じなのですが、私と私の息子の海外留学経験と海外駐在経験を、「昔と今」の比較で紹介しました。更には、息子が作成した特別セミナー「外国語上達術」も披露。3年間同じ内容なのですが、学生さんたちの「背中を押す(海外へ飛び出す勇気を与える)」には非常に効果的だったと思います。
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私も、年を重ねるにつれて「次世代に何かを残したい」という思いが強まっています。社内では次世代を担う中核戦力育成プログラムである「SMI研修」を実施していますが、社外でも大学での特別講義や地域奉仕活動(ボーイスカウト活動等)を通じて自分の持っているものを少しでも次世代に残せれば、と思っています。

台湾出張報告

9/28(木)~10/2(月)に台湾へ出張しました。

前回の韓国出張報告同様、4年ぶりの訪問。台北の賑やかさは相変わらずでしたが、最大の変化点は為替レートでしょうか。当時1台湾ドルが3.5円程度だったものが、現在では5円近くまで円安が進み、「昔は何でも安かったのになぁ」と思うことしきりでした。

台湾経済の柱は半導体エレクトロニクス産業。特に、世界最大のEMS企業であるFoxconn(鴻海精密工業)や世界最大のファウンドリー・メーカーであるTSMC(台湾積体電路製造)等、世界トップレベルの半導体エレクトロニクス企業がひしめいています。

しかし、東アジアの競争相手である韓国と比べると、自動車産業が存在しないことが(ノックダウン生産はしていますが)、台湾の弱みでもありました。その様相が今、変化しつつあります。EV化の流れにより、半導体エレクトロニクス企業が自動車産業のメイン・プレーヤーに躍り出つつあるからです。Foxconnの提唱により、MIH(Mobility In Harmony)というオープンEVプラットフォームに様々な台湾企業が集まり、EV製造のサプライ・チェーンを形成しようとしています。その傘下企業の一社と当社は取引があり、パワー・モジュール市場拡販の一翼を担おうと動き始めました。当該企業が設計・製造したパワー・モジュールとモーターを搭載した電動バイクにも試乗しました(下写真)。一回の充電で80kmの走行が可能とのことで、バイク通勤の多い台湾では十分利用価値がありそうです。
2023年10月3日①
当社台湾現地法人は来年で設立45周年を迎えます。昨今のエレクトロニクス不況で足元の業績は厳しいですが、周年記念を祝えるようにスタッフ全員一丸となって頑張ります。

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SANSHO SHOJI

Author:SANSHO SHOJI
三昌商事の社長ブログ

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